初めて「デタカ」を手にした話。
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「次会う時デタカ持ってくわ」
幼馴染からの唐突な宣言。
「デタカいる?」ではなく、「持ってくわ」という高らかな響きに、
「なんとしてでもこいつをJr.の沼に落としてやる」
という闘志を感じました。
ちなみに彼女、親はV6と嵐のファン、自身は現在嵐・Snow Man・Lil かんさいのファンで、学校から家までの道のりを推しの話をお互いに一方的に語って満足するという生活を共に送ってくれた人です。
幼稚園からの幼馴染なのですが、年長さんのクラスはまさかのゆり組。
江戸川のゆり組懐かしの味は子持ち昆布だったようですが、こちらのゆり組のソウルフードは間違いなくココア揚げパンでしょう。
話が脱線しました。(確信犯)
わたしが宮近さんに落ちそうだ、という瀕死のメッセージを送ったら即座に生き生きとした返事が返ってきたのですが、その最後にあったのが冒頭の一文。
「ちょっと前のだけど、ちゃかちゃんまだ手元に残ってるからあげる」と。
その時のわたし。
「デタカって何?」
40前後のイケヲジアイドルを5年間推し続けた故の無知、大変お恥ずかしい。
ちょうどその頃某アイドル誌にデタカが付いたようで、「デタカ交換」だの「デタカのビジュ」だのが続々トレンド入りしていたので、「デタカ」が推しの顔写真とプロフィールが書かれた小さなカードだということは把握しました。
(トレンドを覗いたら堂々と写真を載せている方がいてちょっとうーん…と思いました。著作権や肖像権のこと、考えたいですね)
思い返せばSixTONES推しの友達がデタカを持ち歩いていた気がする。学校でやる気が出ない時に見ているのだそう。
ブロマイドみたいな雰囲気だった(ブロマイドって死語ですか?)ので、Jr.は事務所からこんなものも出ているのか〜色々増えたんだな〜と勘違いしていたのですが、あれは雑誌だったのですね。
ジャニヲタをやらせていただいておいて何なのですが、個人的に(あくまで個人的に(個人的にですよ))人の顔ががっつりそのまま入っているグッズに手を出す勇気が出なくて。
思えばジャニヲタ歴もそこそこ長いのですが、ジャニショで売っているオフショも10枚ほどしか所持していません。
その友人に言わせれば「団扇とかペンラとかは使うもんじゃねぇ、推しに貢いでいるという実感が湧く自己満足の世界だ」とのことです。男前か。いや、オタク前?
さらに言うとわたしはオタクを始めた時から雑誌には手を出さないと決めていました。
際限が無くなるから、という理由ともう一つ、1冊ずつ切り取ったりして整理をしていく自信が無いから。
そんなわたしも今年、ついに我慢できずに三宅健さんが表紙を飾ったHanakoを購入したのでもう怖いものはないと確信していますが。
そんなこんなで、デタカという存在を知った上でも、そんなに執着心が湧くものではないな、とぼんやり考えていました。
そこから数ヶ月経ち、此間ようやく友人と会うことができました。
久々の再開を果たした彼女はなにやら手に袋を持っていました。
店に入って早々、「はいこれ」と渡されたその袋。
中を見るとパンパンに膨れたクリアファイルが。
なんと彼女、トラジャ全員分のデタカ・厚紙に加え、数年分のTV誌やアイドル誌に掲載されていたV6・関ジャニ∞・Travis Japanの記事、さらに表紙や裏表紙、ポスター等までとにかくわたしの推しを詰め込んでくれました。
え?
神なの?
ドリンクバーとか取りに行く余裕もないまま、雄叫びを抑えつつとりあえずデタカと厚紙だけ確認させてもらうことに。
Travis 顔がいい Japan 。
友人曰く、デタカはたしか2019のサマパラ近辺(推しに夢中で話聞いてなかった)、厚紙(?)はメンバーそれぞれが色とりどりの制服を着ているもの、書架での七五三掛さんのショット、そして「虎者」のときのものの3回分でしょうか。
裏表でセットになっているようで、
「あああのえんちゅ尊い」
「うんうん、そうだねぇ〜」
「ヒッしめしず…あっ顔がいい顔が」
「2人ともかっこいいよね〜」
「やっぱり松松かよ!あっ待って元太くんのドアップはダメだって」
「心臓に悪いよね〜」
なんかよく分からんけど友人が母親に見えてきた。
その時わたしはドアップ元太さんに夢中で見えていませんでした。
元太さんの後ろに控えた彼を。
同じような流れで松松(ドアップ元太さん)を1番後ろに回した瞬間、突如現れた彼を。
エッ……………
エッ……………
エッ……………
エッ……………
(この間コンマ3秒)
「ハァァァア待って!?」
「何!?なに!?」
ド田舎の某ファミレス、平日の昼下がりで良かった。
ほとんど人がいなかったお陰で、ミ○ノ風ドリアを運んでいた店員さんにチラリと見られただけの軽傷で済みました。
いきなりの叫びに焦りまくった友人はわたしの手元を覗き込んで呆れた顔。
そもそも、のえんちゅ、しめしずまで来た時点で、ちゃか松松が来る可能性の低さを考えておくべきだった。
彼らが考えたエモめの(トンチキな?)ストーリーが本誌にあることはチラリと覗いて知っていたので、2:2:3よりは2:2:2:1になる方が自然だろうと。
そして宮近さん、元太さん、松倉さんが残っているなら、1は宮近さんになるだろうと。
アイドル誌はファン心理を捉えるだろうと。
考えておくべきだった。
Travis 顔がいい Japanが悪い。(違う)
ミントグリーンのベストを着こなし、手すりに掴まって身を乗り出す爆イケDK風宮近くんは、なにやら外に向かって叫んでいるようで。
歯並びいいな………。(キモヲタ代表挨拶)
裏返すと、今度は完璧なアイドルスマイルで外を見やる彼。
そういえば私の学校にはいつ宮近くんが転校してくるんだろう…………。(キモヲタ乾杯の音頭)
YouTubeで「キメ顔が変顔」とご自身で仰っていましたが、いや、あの、ほんとにカッコいいです。
家に帰って本誌の方も拝見したら、顔面の強さとストーリーのトンチキさが比例していて笑いましたが。あと3時間で地球に隕石って何事。
でも宮近さんが「隕石が落ちる」と言うなら確実に隕石は落ちる世界になってるんで。(何を言いたいの?)
結局、5時間近く居座った(迷惑極まりない)ガラガラのファミレスで話し込む間、私はずっと隣に宮近さんを置いていました。
家に帰り、ラブレターを隠すように(もらったことないけど)引き出しの隙間にブツをねじ込みました。
何回も、何回も引き出しを開けてはもらったデタカと厚紙を一周眺め、最後にもう一度宮近さんの2枚を眺めて仕舞う毎日。
私は思いました。
財布に入れよう。
今、制服宮近さんは財布の中にいます。
デタカ宮近さんは引き出しに大切に保管してあります。
そんなこんなで、デタカという存在を知った上でも、そんなに執着心が湧くものではないな、とぼんやり考えていました。
過去の私に言わせてください。
どの口が。
以上!!!!!!!!
みんな〜〜〜〜!!!!オタクって素敵だよなぁ〜〜〜〜〜!!!!
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